産まれてくる赤ちゃんのために
当院ではお子さまの予防に特に力を入れており、その一環として「キッズデンタルパーク」もスタートしています。お子さまが小さければ小さいほど良い形で予防ができる可能性が高く、そのためには妊娠中から歯の健康を考えていくことがとても大切です。
食生活を含むご自身の周りの環境を改善することが、元気な赤ちゃんを産むことにも繋がります。
現代の日本では甘いお菓子やジュースなどの誘惑が多く、またそれらを完全に断ち切るということも非現実的といえます。
産まれてくるお子さまが20歳になった時に、1本も虫歯がなく綺麗に並んだ歯を実現するためには、妊娠中から歯に関する正しい知識を身につけて、暮らしの中でいかにうまくコントロールしていくかを考える必要があります。
産まれる前から赤ちゃんの頃、子ども時代、成長して大人になった後までを通して、コンドウ歯科がお子さまの大切な歯の健康を守るお手伝いができましたら幸いです。
妊婦さんが陥りがちな歯のトラブル
妊娠中によく起こるトラブルとしては、まず第一に、ホルモン分泌が変化することで起こる妊娠性歯肉炎です。歯肉に炎症が起こり、歯ぐきが腫れるなどのトラブルが起こりやすくなります。
それ以外にあまり知られていないのが、つわりによる嘔吐でお口の中に胃酸が残り、歯の表面が溶けやすくなることです。
エナメル質が溶けると汚れが付着しやすくなり、細菌が繁殖して虫歯のリスクが高まります。そのため、お口の中が酸性になっていると感じたら、こまめなうがいで歯を守ることが大切です。
また妊娠中期から後期にはおなかの赤ちゃんも大きく成長し、一度にたくさんの量を食べるとが難しくなる場合があります。
そのために食事の回数が増えて口の中に食べ物が入っている時間が長くなり、簡単に食べられるものとしてお菓子を口にすることも増えるため、口腔環境が不衛生になりがちです。
つわりによる吐き気で歯みがきを丁寧にすることが難しいという方も多いですが、妊娠中だからこそお口の健康には人一倍気をつけて、できる範囲のセルフケアをし、定期的なメンテナンスで歯科医院に通うことを心がけましょう。
妊娠中に高度な歯科医療が必要になったら
妊娠している方に対しては、基本的には妊娠5か月を過ぎてから治療を始めるようにしています。かかりつけの産婦人科医の同意があり、ご本人が納得されていればどの時期であっても治療は可能です。
安定期であれば一般的な虫歯の治療などは可能になりますが、症状によっては痛みを取って生活に支障のない状態にして、出産後の落ち着いた頃に治療の続きを行うというケースもあります。
レントゲン撮影については、実際の放射線量はとても少ないため母子ともにほぼ影響がないといわれています。しかし、やはり受けないで済むに越したことはなく、できる限りおなかの赤ちゃんへのリスクを減らしたいという患者さまの気持ちを尊重する意味からも、当院では妊娠中の方に対するレントゲンは最低限に留めています。
そのためレントゲンが不可欠な根管治療においても、妊娠中であればできるだけ撮らないようにしています。
ただし精密な治療を行う上で、治療の最後のレントゲンだけは産婦人科医の意見も伺いながら撮ることもあります。その場合も安定期を選んで撮影し、しっかりと防護用のエプロンを着けていただくことを心がけています。
妊娠中の方のセカンドオピニオンについて
妊娠中の方からのセカンドオピニオンを求める声としては、「他の歯科医院で、赤ちゃんが産まれるまでは治療できないと言われましたが、我慢しなければいけませんか」というものが多く寄せられています。
当院ではできる範囲で検査をした上で、科学的根拠に基いて診断し、産婦人科の許可が出ていてご本人が納得されているという条件をすべて満たしていれば、患者さまのご希望に沿った治療を行うようにしています。
治療を出産後に先送りにした方がよい場合であっても、痛みを取る処置なども的確に行いますので、一人で悩まずにまずはご相談ください。